概要
FE 40mm F2.5 Gの使用レビューです。私のボディはα7C IIです。用途はほとんど写真で、街歩きのスナップ、日常の記録、テーブルフォトや簡単な物撮りが中心。普段よく使う焦点域は35〜70 mmで、「35 mmだと広すぎ、50 mmだとやや狭い」と感じる場面が多く、間の40 mmが絶妙で撮りやすい焦点距離です。小型のα7C IIに対してレンズが過度に前に張り出さず、バッグからの出し入れや片手撮影がスムーズになること、ボディとレンズ合わせて約700 gで運用可能です。街中でも威圧感なく撮影できるのが購入理由です。

主要スペック
発売日 | 2021年4月23日 |
対応マウント | ソニーEマウント(35mmフルサイズ対応) |
焦点距離 | 40mm |
開放絞り | F2.5(最小F22) |
絞り羽枚数 | 7枚(円形絞り) |
絞りリング | あり(クリック/デクリック切替可) |
最短撮影距離 | 0.28 m(AF)/0.25 m(MF) |
最大撮影倍率 | 0.20×(AF)/0.23×(MF) |
フィルター径 | 49 mm |
サイズ(最大径×長さ) | 約68 × 45 mm |
質量 | 約173 g |
外観・操作性
外装は金属基調で質感は高く、68 × 45 mm・約173 gというサイズは実際に持つと数字以上に軽快です。鏡筒には絞りリング(クリックON/OFF可)、AF/MFスイッチ、フォーカスホールドボタンを装備し、小型ながら“触って撮る”感覚がしっかりあります。フードは浅いフジツボ型で、収納性と逆光耐性のバランスが良好です。49 mmのフィルター径は、このレンズでのみ使用していますが、ND等を使う予定がないため問題はありませんでした。小さめのカバン等にも収納しやすく、小型ボディとの運用の取り回しは素晴らしいです。
画質について
このレンズの肝は絞り開放からの「かなり高い解像力」です。中心部は絞り開放F2.5でも、解像度が高く、四隅も高水準です。少し絞れば均一な解像度になります。色味はすこし青っぽい感じはありますが、素直な写りです。ボケが騒がしい感じがあり、絞り羽枚が7枚なので、玉ボケが多角形になることがあります。
- 軸上色収差
軸上色収差は開放付近で確認されます。特に絞り開放f/2.5ではボケ部分に緑や紫のフリンジが出やすく、f/4程度まで絞ると軽減しますが、完全には消えません。 - 倍率色収差
倍率色収差はほとんどありません。四隅には少しありますが、気になることはないです。 - コマ収差
コマ収差も非常に抑えられています。四隅ではわずかな伸びが見られますが、f/4でほぼ解消します 。 - 歪曲収差
樽型歪曲が存在しますが、カメラ側補正によって解消される程度なので、問題ないかと思います。 - 周辺減光
絞り開放時に四隅にそこそこの減光が発生します。f/4まで絞れば大幅に改善します。 - 逆光耐性
コンパクトなレンズとしては、フレアはほぼ見られず、ゴーストも少しある程度で、よく抑えられています。実用的には問題ないレベルです。

長所/短所
+ 小型軽量(約173 g)でバッグに収まりがよく、α7C IIとの相性が抜群。
+ 絞り開放から高解像で、シャープかつ上品な描写。
+ 操作系が充実:絞りリング(クリックON/OFF可)、フォーカスホールドボタン、金属質の外装。
- 金額が高い。
- 玉ボケに少し癖があり、背景によっては年輪ボケが出る場面も。
- フードの形状は好みによって好き嫌いが分かれる可能性あり。
比較
レンズ名 | 質量 | 焦点距離 | 開放F値 | 最大撮影倍率 |
---|---|---|---|---|
Sony FE 40 mm F2.5 G(本レンズ) | 約173 g | 40 mm | F2.5 | 0.23倍 |
SIGMA 50 mm F2 DG DN|Contemporary | 約295 g | 50 mm | F2 | 0.14倍 |
Sony FE 50 mm F1.8(SEL50F18F) | 約186 g | 50 mm | F1.8 | 0.14倍 |
Samyang AF 35 mm F1.8 FE | 約210 g | 35 mm | F1.8 | 0.17倍 |
- SIGMA 50 mm F2 DG DN | Contemporary
しっかりとした金属製ボディと操作性の高い絞りリングが魅力のレンズ。機能や質感のわりに軽量で金額も抑えられます。 - Sony FE 50 mm F1.8 (SEL50F18F)
プラスチック外装・軽量設計で、手頃な価格ながらコンパクトな携帯性が魅力。ただし防塵防滴性能はなく、描写やビルド品質は値段なり。AFの駆動音も目立つようです。 - Samyang AF 35 mm F1.8 FE
迅速かつ静音なAF、中央のシャープネスが特徴です。美しいぼけ味とコストパフォーマンスに優れますが、開放での周辺減光や光源へのフレア、色収差の少々の目立ちもあるようです。
結論
「FE 40 mm F2.5 G(SEL40F25G)」は、小型軽量・堅牢な操作系・絞り開放からの非常に高い解像力を兼ね備えた“持ち出し常用レンズ”です。中心は絞り開放から細部がしっかり描写され、街の看板や衣服の織り、髪の毛のエッジまで繊細に捉えます。四隅も実用的で、F4〜F5.6で最高画質が得られる印象です。小型ながら高画質で、ピント面の解像は本当に素晴らしいです。周辺光量低下は見られますが、補正や絞り操作で扱いやすく、玉ボケの年輪傾向はあるものの、それを許容できるなら魅力的な描写を楽しめます。携行性と画質の両立を求める方には、かなり優れた選択肢だと思います。価格はやや高めなのがネックで、日常使いならここまでの性能が不要である場合もあるかと思いますので、許容度に応じてレンズ選択するのがいいかと思います。
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